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「っ・・・なに?」
「いや、意外とあるんだなって」
瀬戸口はスミレ色の瞳で笑うと、速水の胸元に手を伸ばした。
白い柔肉に骨ばった指先が触れる。二次性長期の少女のような白い二つのふくらみ。瑞々しいしっとりとした感触。意外と質量のあるそれを瀬戸口は興味深そうにつついて、手の平で覆うように揉んだ。
清潔感ある優等生といった風情の速水厚志が制服の下に隠している秘密。長い睫を伏せる速水の表情は普段とは別人のような色を帯びている。
淡い色の乳首を指でむにと摘むと細い肩が小さく震えた。
「ん・・・・・」
「普段、ブラとかつけてないのか?」
「つけないよ・・・そんなの」
普段はサポーターを巻いて誤魔化しているらしい。
しかしこの膨らみは、乳房と言って差し支えない大きさがある。瀬戸口の見立てでは芝村のお姫様や一部の女子よりも大きいだろう。
言ったら怒るのは目に見えているので言わないが。
むにむにと感触を楽しみぎゅっと、乳を搾るように掴んだ。吸い付きたい。
瀬戸口は人ではないが、そう思うのは本能なのだろうか。シオネにはそんな感情を抱いたことはなかったのに。
瀬戸口は顔を寄せると、ぺろりと舐めた。乳首の凹凸を確かめるように舌が這う。
「やっ、やめて、よ・・・」
「俺に舐められるの嫌?舌使いもなかなか上手いと思うが」
「そういう問題じゃない・・・」
遮ろうとする速水の手を掴んで制し、また舌を這わせる。
ちゅっと音を立てて乳首にキスをし、水音を立てながら舐めてやる。速水は胸も感じやすいようだ。
時折可愛らしい声が漏れるのが聞こえる。
「んっ・・・ぁ・・・・・噛んじゃ、や・・・ん・・・・・」
速水の声は高くて甘くて、脳が溶けそうになる。
瀬戸口は速水の乳首を時折甘噛みしながら左右交互に吸ってやった。
柔らかくて甘くてずっとこうしていたくなる。
「も、あかちゃんじゃ、ないんですから・・・・・・・・」
「速水の赤ちゃんに生まれなおせたらなあ」
「なに、ねぼけてるんですか」
瀬戸口は速水の平らな下腹部を撫で回した。少年だから流石に孕むことはないだろうが。
瀬戸口の人外の瞳がすっと細まる。
ああ、惜しい。この血が、肉が欲しい。
「あん・・・・・」
吸い付いたまま細い身体を床に縫い付ける。
顔を上げると見下ろしていた潤んだ青い瞳が本当に綺麗で、瀬戸口は嬉しくなった。
目の前にこの少年がいて、こうして青い瞳で見つめられながら触れることができるのが嬉しい。
「そうやって吸われると・・・・意識しちゃうので、いやです」
「おっぱいを?」
「へんだから、あんまり好きじゃない」
「俺は綺麗だと思うんだが」
普通ではないのだろうが、速水の身体は綺麗だしかわいい。
柔らかくて気持ちよくて好きだ。腕の中にすっぽりおさまるのもいい。
速水は青い目を細めると、普段とはまた違う口調で言った。
「そんなこと言うの、瀬戸口くらいだ」
「速水は綺麗だよ。俺が言うんだから間違いない」
「・・・・・・」
少年がなぜこんな泣きそうな顔をするのか瀬戸口は知らない。1000年生きてきて数え切れないくらい、女性に綺麗だと言い続けてきた鬼だが、速水に対する言葉に嘘偽りはなかった。
女とも男ともつかない身体に上から下まで舐めるように視線を巡らせると吸いすぎて赤くなった乳首にもう一度キスをする。
「瀬戸口・・・・」
「好きだ」
瀬戸口は小さく呻ると、速水の首筋に顔を埋めた。

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